「眼鏡日和」~めがねと共に~

日常の出来事や、自分の趣味・気になることを発信できたらと思います。

【感想】「そして、バトンは渡された」を読んでみた。目から大量の汗が出てきたんだが・・・

家族とはなんでしょうか。

両親と暮らしている?

血がつながっている?

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家族の定義とは。

改めて家族とは何なのかを考えさせる作品となります。

「そして、バトンは渡された」

あらすじ

本作の主人公となる人物優子は三人の父親、二人の母親がいます。

何を言っているんだ君はという言葉を遮ります。

優子は幼い頃に母親を事故で無くしており、父親に育てられてきました。

小学生の頃に父親は再婚し、二人目の母親と出会います。

順調に新たな結婚生活を暮らしていた矢先、父親の仕事の関係でブラジルへの転勤がきまりました。

父親は家族揃ってブラジルに行くことを望み、母親はブラジルではなく日本に残ることを望んでいます。

優子の判断によって、父親とブラジルで暮らすか、母親と日本で暮らすかを選択することになりました。

小学生ながら苦渋の決断によって、母親と日本に残る選択をした優子。

親は離婚し、血の繋がっていない母親との二人暮らしが始まりました。

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シングルマザーでの生活も厳しく、楽しくはあるけれども貧困生活が続く中、優子はピアノを習いたいと母親の「梨花」にお願いすることがありました。

子供ながらに滅多にお願いというお願いをしたことがない優子のお願いに梨花は応えるのでした。

生活をしていく上で苦しいのにどうやってピアノを手に入れたんでしょうか。

その方法とは、家にピアノを持っている男性と突如梨花は結婚したのです。

優子は何もわからないまま、新たな暮らしが始まったのです。

それは二人目の父親との生活の始まりでもありました。

梨花が再婚した男性は裕福で、これまでの貧困な生活が嘘みたいな暮らしができました。

家には当然ピアノもあり、優子はピアノを引くこともでき、家には何でもしてくれる家政婦もいました。

至れりつくせりの生活を送っていた中、今度はその暮らしに窮屈と退屈を感じた梨花が家をでていきました。

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戻ってきた梨花は同級生であった森宮という男性と結婚をしたいということを告げ優子の二人目の父親である「泉ヶ原」と別れるのでした。

そして3人目の父親である「森宮」さんとの生活が始まりました。

結婚してほどなくして、梨花は突然いなくなり森宮と離婚。

親権は森宮が持つ形となり、森宮さんと優子の血の繋がっていない親子の二人暮らしが始まるのでした。

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家族とは

冒頭にも記載したとおり、「家族」とは何かを考えさせられる作品となります。

最終的には森宮さんという男性と一緒に暮らすことになる優子。

端から見ると親戚でもない赤の他人と暮らすことになります。

そこには血の繋がりも、絆も何もない状態からの始まりでした。

これまでも幼い頃から転々と名字や住む場所、環境が全く変わっていた優子。

現実に自分の身に起きていたら本当にとんでもない話です。笑

親も転々と代わり、最終的には全く知らない男性と二人暮らしって中々ハードですよね。

しかも思春期真っ只中。

小説だから成り立っているんではないかと考えながらも、

森宮さんの覚悟と優子に対する接し方。

また子供ながらに自立している優子だからこその関係なのかもしれません。

家族とは本当になんなんでしょうね。

私の概念で言えば、

・血がつながっているとか

・一緒に暮らしているとか

っていうのが凝り固まった概念でした。

血がつながっていなくても、一緒に暮らしていなくても家族になれる。

そんな可能性を考えさせられる一冊です。

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名言

この作品で一番好きなセリフが森宮さんが優子にいった一言です。

「自分の明日と、自分よりたくさんの可能性と未来を含んだ明日が、やってくるんだって。親になるって、未来が二倍以上になることだよって。」

涙ブワーですわ。

この言葉のセンス本当に好きです。笑

明日が2つ。未来が2倍って凄いですよね。

子供がいる親なら、その気持がわかるのでしょうか。

僕は独身アラサーなので、その気持ちを感じたことがないのですが想像したら涙がこみ上げてきました。(キモ)

親が子供を大事にするってこういうことなんだなぁと。

ただ本当に凄いのは血のつながっていない森宮さんが言っていることが本当に凄い。

子供がいる親の方ならこの作品を是非読んでほしい。

そして、梨花の男性を見極める目が凄いとしか言えない。。。

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最後に

この作品は読みやすく、読者の期待を裏切らない鉄板の作品だと思います。

安心して読み進めていけるという意味で。

現実はこんなに甘くはない。小説のようにはならない。

というような声も聞こえて来そうですが・・・・

でも可能性としては、森宮さんや優子のような親子関係だってありえるわけで、一つの形です。

僕も現実はこんなにうまくは行かないだろうと思いながらも、夢をみたいタイプです。笑

あなたはどっち派でしょうか?

最後にこの小説のタイトルの意味は最後になってようやくわかります。

「そして、バトンは渡された」の意味とは。

ここで涙がちょちょぎれますね。

気になった方は是非読んでください!!

 

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