「君の膵臓をたべたい」
いきなり何を言い出すんだと思ったあなた。
僕も最初は同じ感情でした。
「住野よる」さんの青春小説として2016年本屋大賞2位を受賞し、アニメ映画化及び実写映画化された作品となります。
端的にいうと、僕はこの作品が好きです。
「キミスイ」と言われ話題になり、この作品から学ぶことや伝えたいことが多く共有したいと思い記事としました。
あらすじ
本作品は基本的に2人の高校生の描写によって構成されています。
山内桜良。
タイトルの通り膵臓の病気を患い、余命が長くないことを知った女子高校生。
「僕」。(志賀春樹)
山内桜良の病気のことを家族以外で唯一知る人物。
たまたま桜良が病院で落とした病気のことを綴った日記「共病文庫」を拾い病気のことを知る。
桜良の病気を唯一知る家族以外の人物「僕」と死ぬまでにやりたいことを通して次第に二人の心を通わせていく青春物語となります。
「僕」は、人間に興味がなく自分が好きな本の世界にのめり込むことが好きな男子高校生。
桜良のやりたいことを、最初は無理やり付き合わされていましたが、徐々に人間というよりも桜良のことに関心を持つようになります。
二人の関係性は突如終焉を迎えます。
桜良と遊びに出かける予定をしていた「僕」。
待っていても桜良がこない。
桜良がこないことを不思議に思いながらも、実家に戻り食事をしていた「僕」。
テレビのニュースより衝撃の事実が伝えられます。
桜良は通り魔に刺され亡くなったという事実です。
桜良が亡くなったことによる「僕」の心情。
「僕」は何を思うのか。
作品の好きなところ
真実or挑戦かゲーム
桜良と「僕」が博多旅行に行き、宿泊したホテルで行ったゲーム。
僕なりの感想ですが、この作品を観た人はだいたいこの部分好きじゃないですか?笑
めちゃくちゃ桜良が可愛いんですよね。。。
分かるよね。
トランプをめくって数字が大きい人が勝つという至ってシンプルなルール。
勝った人は、負けた人に対して、質問を投げかけることができます。
負けた人は質問に対して答えることが出来るなら「真実」、答えられなければ「挑戦」と答える。
「挑戦」と答えた場合、勝った人が負けた人に対して行ってほしいことを挑戦させる。
作品の中の真実or挑戦かゲームの桜良はマジで可愛いです。はい。
優勝。
花火のシーン
「僕」が桜良に対して、心配していることを伝えたシーン。
それに対して、桜良がメチャクチャ嬉しがるところが純粋に可愛いです。
桜良が死ぬことに対する「僕」の死なないよね?という言葉には一体どんな想いがかかっていたのだろうか。
そして花火をみせたことに対する桜良がお礼として求めたハグ。
もう言葉は必要ないよね。
みんな好きだよね。
この作品の伝えたいこと、感じたこと
人はいつ死ぬかわからない
あらすじの通り、突然の死を迎えた桜良。
膵臓の病気から余命が短い事もわかっていたが、突然失った命。
当たり前だけど、人はいつ死ぬかわからないということ。
この作品を初見で観た方は、まぁ当然最後は桜良が死ぬことを予見すると思います。
ただ、それは膵臓の病気による余命を全うしての最期を想像するかと思います。
誰が、通り魔によって殺されることを予見できるでしょうか。
(若干通り魔フラグも入っているので、気づく人はいるかもしれませんが・・・)
ただ、よくよく考えたら当たり前なんですよね。
人がいつ死ぬかなんてわからない。
あなたも、ぼくも。
今日かもしれないし、明日かもしれない。
10年後かもしれないし、100年後かもしれない。
余命がわかったから、その出来る限りの時間を十分生きる。ではなく、
人はいつ死ぬかわからないから生きている時間を精一杯生きる。
ということを伝えたいのかなと感じました。
全ての選択・行動が今の自分を作っていて、偶然ではない
作中でも出てくる桜良が発した言葉。
「偶然じゃない、流されてもいない、私達はみんな自分で選んでここにきたの。私達は自分の意志で出会ったんだよ。」
僕もこう思うんですよね。まさに。
何気ない行動・選択って日常に沢山ありますよね。
例えば休憩がてらカフェに入る。
→カフェで出会った女性と仲良くなって、結婚する。
こんな可能性だってあるわけです。
たまたま休憩で入ったカフェで人生が変わることもあるわけで・・・
自分たちの一つ一つの行動・選択って自分が決めているわけじゃないですか。
いくつも選択肢がある中で、それを選んできた結果が今の自分や状況になる。
つまり現在の自分とは、過去の行動・選択から導き出された結果だということを伝えたいのだと僕は強く共感しました。
まとめ
奇抜なタイトル「君の膵臓をたべたい」
作品を観る前は、何を言っているかよくわからなかったですが、ベストセラー作品にふさわしいタイトルです。
上記では伝えることができない他にも様々な良い所や名シーンがあります。
観た後はゲロ泣きしてください。
泣いたっていいんだよ。
ハンニバル的要素を含み、いくつか作中でも出てきましたよね。
悪い部位があれば、その部位を食べて良くするとか、誰かの部位を食べたら魂や想い・意思が宿って生き続ける的な。
まさに、そんな時に適切なメッセージとして使われていた言葉、志賀春樹から桜良への色々な想いを一言で表すとしたら、この言葉しかないでしょうか。
「君の膵臓をたべたい」